2011年10月4日に行われました〔渋谷環&榎本裕之デュオコンサート〕のリポートその2です。

マニアックさを廃し、楽しく…とのコンセプトを伺っていたので、日頃クラシック、ましてギター音楽とは無縁の夫と母を連れて見参致しました。

鈴木巌「遠い山脈」。
繊細なトレモロに導かれ、胸締め付けられる郷愁の世界へ…
そして芳志戸幹雄「タラントス」。
聴き手の心にぴたりと寄り添うような演奏が続きます。

デュオは作者不詳「夜うぐいす」から。
ノリノリのビートルズ3曲、ソルの美しい2曲で第一部、幕。

第二部はソル「”魔笛”の主題による序奏と変奏」から。
プログラムに「素朴なアリア”なんと心良い響き”が、なんと創意に溢れ たギャラントな主題に変貌していることか!」とありましたが、まさに「なんとも心良く、ギャラントな」演奏でした!

再びデュオ。
「ニューシネマパラダイス」より3曲と、ショパン「ノクターン第 20番〈遺作〉」。
泣きのギターに、記憶の中のあの映像この映像が重なります。

最後は一路スペインへ。
アルベニスの4曲を熱く、美しく。たいへん聴き応えのある競演でした。

連れの二人にとって、アンコールの2曲、とくに「カヴァティーナ」はやはり耳馴染みが良かったようです。優しい気持ちで会場を後に。

軽妙洒脱な大人のトーク(もっと聴いてみたい!)にクスリと笑い、時代と国境を越えた名曲の数々に泣く…なんとも贅沢な時間でした。

山口 円