ギターについて
アコースティクギターと言うとフォークを指す場合が多いですが、
電気を通さない生の音のギターの総称です。一方、弦の振動をピックアップで電流に変え、
アンプに繋いで音を出すギターがエレキギターです。
電気を使用しないギターとしては、弾く音楽の目的 から分類すると、概ね、
●クラシックギター、●フラメンコギター、●フォークギター
の3種類に分けられます。
しかし、どの音楽にどのギターを使わなくてはならないと決まっているわけではありません。
例えば、ボサ・ノヴァなどは、プロの奏者はクラシック系の音を好むようです。
音の好みによって、違う種類のギターを使う場合もあります。
(種類の違いについては後述説明を参照してくださいね。)
つまり、ギターはどの種類であって も、 ポピュラー一般からボサノバとかジャズまで、 どの分野にでも楽器として対応できるものなのです。(クラッシックギターだからクラッシックという訳ではありません)
構造と名称
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主に木製で、音を共鳴させるため中が空洞になった胴体から棹が出ており、その先に 糸蔵(いとぐら)が設けられています。
弦は糸蔵に取り付けられた糸巻から、駒と呼ばれる弦止めまで、一般的に6本の弦が張られ、
弦は1~3弦はナイロン製、4~6弦は巻き弦となっています。音色が情緒に富んで美しく、しかも多彩であるほか、旋律、和声、リズムをいずれも十分に表現でき、
ギターは完全な独奏楽器なので、「小さなオーケストラ」とも呼ばれています。
ギターの種類について
フォークギター
フォークギターはスチール弦を使用し、通常はピックというセルロイド等でできた小片で弾かれます。クラシックギター フラメンコギター
クラシックギターとフラメンコギターには、ナイロン弦を使用します。ナイロン弦といっても、低音弦の3本には金属線が巻き付けてあるため、見かけは金属弦 のように見えます。
【クラッシックギターとフラメンコギターのギターの違いについて】 見かけの違いとしては、 1. クラッシックギターは厚い表面板が使われ、フラメンコギターは逆に軽い音を得るために表面板を薄くしています。 2. 木材の違い クラシックギターの裏板 と側板はローズウッドという黒っぽい色の木を使用するのが普通ですが、 フラメンコギターにはシープレスという白くて軽い木を使います。 3. フラメンコギターの表面板上の一部にゴルペと称するセルロイドの薄板が貼り付けられており、 フラメンコ奏法特有の爪による打撃の傷から守るようにできています。 4. クラッシックギターは弦と指板との距離は、弾弦による雑音が出る ことなく、 なおかつ弾きやすい位置に調整されています。 フラメンコギターの弦位置は、指板に接近して調整されています。 強く弾いたときに指板にぶつかってフラメンコ独特の響きを生むことになります。 *両者の中間的な設計をとる「両用ギター」というものもあります。 |
ギターの発生と発展の歴史
リュート ヴィエラ |
ギターの歴史は非常に古く、前2500年 ころの文明にもさかのぼると言われています。 。メソポタミア、エジプトをはじめ古代文明が残したテラコッタや石の浮彫にはギターに似た、胴体、棹、糸蔵をもつ弦楽器が見られます。 ギターの先祖、「キタラ」が生まれたのは古代ギリシアの時代と考えられていて、ギリシア神話に出てくるアポロ神の楽器という説もあります。紀元前1400年頃にはリュートの原型が存在し、それがスペインやフランス、イタリアなどを中心として進化していったのではないかと言われています。 古代から中世にかけて、キタラは「ギターラ」(ヴィエラ族)とよばれるようになり、リュートと並行しながら発達していきます。 ヨーロッパでは15世紀中頃から18世紀にかけて複弦の楽器として、このリュート族、ヴィエラ族の楽器が宮廷音楽とともに栄えました。 が、17世紀にはリュートは衰退し、イタリアではマンドーラとして僅かに形を残し、大型化したリュートは、コースの少ない楽器であるシターンへと影響を与 え、シターンはやがてイングリッシュギターへと変遷します。 ルネサンス期にはすでに現在のギターの原型は存在し、当初4コースまたは5コースだったギターは18~19世紀にかけて単弦化します。 現在のような大きさと構造をもつギターは19世紀末に確立され、後にドイツやスペインで改良され、現在のギターが生まれるようになりました。 |
クラッシックギターの代表的な作 品
●タルレガ作曲「アルハンブラの思い出」 トレモロ奏法が使われている曲の中でもっとも有名な曲です。、ギターならではのうつくしいトレモロの表現によって、哀愁に満ちたスペインの情緒ある風景を 見事に表現しています。●ロドリーゴ作曲「アランフェス協奏曲」 ギターとオーケストラの掛け合いがみごとな曲。スペインのリズムとメロディーがギターの多彩な音色によって表現されています。 ●スペイン民謡「禁じられた遊び」 ●ソル作曲「魔笛の主題による変奏曲」 |
ギターにはいろいろな奏法があります。
【アルペジオ】 左手で和音をおさえ、右手の指でその和音の音をバラバラに弾く奏法。。 【ビブラート】 弦をおさえながら、縦に指をふるわせたり、横にふるわせたりして、音を微妙に揺らす弾き方。 【トレモロ】 同弦を連続して弾弦することで、音が長くつづいているように聴かせる弾き方。 【ハーモニクス】 ハーモニクスとは倍音のこと。代表的なやり方は、弦を軽く左手の指でふれ、右手で弾いたあとすぐに左手を離す方法。 【グリッサンド】 弦においた指をすべらせて弾くこと。弦楽器ならではの表現。違う音なめらかに滑らかに繋ぐ効果を出す。 【スラー】 弦をはじいたあと、その次の音ははじかずに、左手の指を弦をたたくようにおさえて音を変えること、 または、弾弦している指を離す時、少し弦をひっかくような感じで指をはなして音を変えること。 【ラスゲアード】 複数弦を、上から下に弾きおろしたり、下から上に弾きあげたりする奏法。 |
フラメンコ・発生と発展の歴史
フラメンコは南スペイン、アンダルシア地方のジプシーの間で発達し た音楽、舞踊のこと。 語源は明らかでありませんが、アンダルシアの俗語で〈はでな〉〈だてに気取った〉などの意味をもつ flameante という言葉に由来するという説が有力です。フラメンコはあくまで南スペインに古くから伝わっていた民俗音楽および舞踊で、 ジプシーはそれに彼ら固有の流儀による味付けを施しながら発展させてきました。 とくにアンダルシアは人種および文化・風俗に東方からの影響を強く受けた地方で、 15世紀以後スペインに入って、アンダルシアで鍛冶屋、かご作り、菓子売り、遊芸人などの職に就いたジプシーは、セビリャ、グラナダほか中小都市の場末や 下町に多く住みつき、当初のうちは仲間うちの楽しみごととして歌や踊りを続けていました。 しかし、19世紀後半から彼ら独自の音楽舞踊のおもしろさは一般スペイン人の目を引くようになり、スペイン各地の町々に「カフェ・カンタンテ 」という、これのための舞台を設けた酒場が現れるほどになります。そして、この時代にフラメンコは飛躍的な発展をみせ、今日に伝わる主要なリズム、旋律、 調性などがこの時代に確立されました。 20世紀に入ってからは劇場にも進出、民族的舞踊芸術として世界的に評価されるようになります。 |
ギターのなかま
ギター Guitar |
ウクレレ Ukulele |
リュート Lute |
マンドリン Mandolin |
バンジョー Banjo |
電気を通す、電気で動くギター等 |
エレクトリックギター Electric Guitar セミアコースティックギター Semi-acoustic Guiter MIDIギター など |
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その他、同じ弦楽器の仲間 | |||||
三味線 琵琶胡弓 など |